和傘について
和傘の種類
和傘の種類
一見同じように見える和傘ですが、用途やデザインの異なる複数のタイプがあります。
先に紹介する「番傘」と「蛇の目傘」は、防水加工を目的に骨組みの上に張った和紙に油を塗ります。次に紹介する「和日傘」は和紙に油は塗りません。防水加工が施されていませんが、和紙本来の色を楽しめるのが魅力です。最後に紹介する「舞傘」は、和紙が張られているものもあれば、絹などの効果な布が張られているものもあります。
・番傘
「番傘」の特徴は、何といっても淡色でシンプル、がっしりとした見た目で骨太な作りです。太く重いため、男性が持っているイメージです。宿泊施設などのまちのお店の前に貸し出し用として置いてあり、そこに必ず屋号と番号が書かれていたため番傘と呼ばれるようになりました。
・蛇の目傘
エレガントで華やかな作りが魅力の「蛇の目傘」は、番傘と比べ蛇の目傘の方が細く軽いところが特徴です。工夫が見られる蛇の目傘は、持ち手部分に籐が巻かれています。蛇の目傘は番傘に比べると色柄が美しいことが特徴で、主に女性が持っているイメージです。蛇の目傘とは、傘の真ん中の白い円が蛇の目に見えることから名付けられました。
「舞傘」は、主に舞踏用に使用されるものです。防水加工が施されていないため、こちらも雨傘としては使用できません。和紙本来の色や模様を楽しむことができ、見た目にも美しい傘が多いのが特徴です。とても軽く作られているため、長時間傘を差していても疲れにくいです。日傘としても利用可能です。和紙のものもあれば、高価なものは絹を使用しているものもあります。着物の柄を邪魔しないよう、派手なデザインではなく、舞の小道具として引き立つように作られています。
・野点傘
他の和傘に比べてサイズが大きく、自力で立たせることができない和傘が「野点傘」です。存在感のある和傘で、野点傘を支えるために傘立台などを用います。
また茶道の時に使われる本式野点傘や、神社仏閣の行事などで使われる妻折野点傘など用途も別れます。現在の主流は妻折式(親骨の端が傘内側に曲がっている)の方が多いです。